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WordPressサイトを別の場所へ複製するなら、元サイトのファイルとデータベースをまとめて移し、クローン先のURLとデータベース接続情報を設定します。ここではDuplicatorを使う6ステップを、バックアップから動作確認、インストーラー削除まで順に説明します。ステージング作成、サーバー移転、ローカルでのテストでは注意点が異なるため、最初にクローン先を決めてください。

WordPressサイトのクローンとは

クローンは、既存サイトの実質的な複製を別の場所に作ることです。通常はWordPressコアファイル、wp-content内のテーマ・プラグイン・アップロード画像、データベースを移します。投稿、固定ページ、コメント、ユーザー、メニュー、ウィジェット、カスタマイザー設定、プラグインが保存する設定やカスタムデータもデータベースに含まれます。

WordPressを新規インストールして記事だけをインポートしても、テーマやプラグインの設定、メディア、サイト独自のデータまでは同じにならないため、完全なクローンとは異なります。クローンはコピーを作る作業、移行は運用場所を旧環境から新環境へ移す作業です。移行ではDNS、SSL、メール、CDN、外部サービスなども別途確認します。バックアップは復元に備えて保管するもので、クローンと同じ作業ではありません。

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クローンを作る主な場面

  • 本番サイトをステージングへ複製し、テーマやプラグインの更新を試す。
  • 新しいホスティング会社やドメインへ移す。
  • ローカル環境でデザインやコードを確認する。
  • クライアント用の開発環境を用意する。
  • 既存サイトをひな形に新サイトを作る、または大きな更新の前に復旧用コピーを準備する。

クローン用プラグインの用途例はWordPressサイトを複製するプラグインの比較でも紹介されています。

作業前に確認すること

  • 元サイトのファイルとデータベースを含むフルバックアップを作成し、サーバー内だけでなくローカルまたはクラウドにも保存する。
  • クローン先のドメイン、一時URL、ディレクトリを決める。既存ファイルを上書きする場合は、その環境も先にバックアップする。
  • 新しいデータベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名を用意する。ユーザーに対象データベースへの必要な権限を付与できることも確認する。
  • FTP/SFTP、ホスティングのファイルマネージャー、またはSSHのいずれかでファイルを転送できるようにする。
  • クローン先のPHP、MySQLまたはMariaDB、ディスク容量がサイトの要件を満たすか確認する。
  • DNS、SSL証明書、キャッシュ、CDN、ファイアウォールの設定を確認する。サーバーや外部サービス固有の設定は、ファイルを複製しただけでは引き継がれない場合がある。
  • ステージングではメール送信、決済、Webhook、広告計測、外部APIなどが本番と重複して動かないようにする。WooCommerceや会員サイトでは注文、在庫、定期購入、個人情報の扱いを決めてからコピーする。

クローン先によって変わる注意点

クローン先 主に確認すること
同じサーバーのサブディレクトリ 別のデータベース、URLとパス、パーマリンク、.htaccessの設定。
サブドメイン DNSとSSL、旧URLの置換、検索エンジンへの公開防止。
別サーバー ファイル転送、データベース接続情報、DNS切り替え、SSL。
ローカル環境 ローカルWebサーバーとデータベース、localhostなどの接続先、HTTPSやメール送信の違い。
ホスティングのステージング ホスト独自の複製・本番反映機能と同期方向。本番への反映でどのファイルやデータベースが上書きされるか。
マルチサイト ネットワーク設定、サブサイト構造、ドメインマッピング。単一サイトの手順をそのまま適用しない。

WordPress公式ドキュメントでも、サーバー移転、URL変更、ディレクトリ変更、マルチサイト移行はそれぞれ確認事項が異なります。WordPressの移行ガイドを参照してください。

DuplicatorでWordPressをクローンする6ステップ

以下は、元サイトをパッケージ化し、クローン先でインストーラーを実行する方法です。Duplicatorの画面名はバージョンにより異なることがあります。メニューの名称が一致しない場合は、管理画面でバックアップまたはパッケージを作成する項目を探してください。Duplicatorの基本機能や利用条件はWordPress.orgのDuplicatorページで確認できます。

ステップ1:クローン先とバックアップを準備する

クローン先のドメインまたは一時URL、保存先ディレクトリ、データベースを先に用意します。元サイトでも別のフルバックアップを作り、実際にダウンロードできることを確認してください。サイト全体のクローンを目的にファイルやデータベースを除外するときは、除外した内容を記録します。

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古いバックアップ、キャッシュ、一時ファイル、不要なログ、大容量の開発データなどはパッケージから除外できる場合があります。ただし、テーマ、プラグイン、メディア、サイトの動作に必要なデータを除外すれば、その分は複製されません。容量不足や権限、タイムアウトの警告が出た場合は、原因を調べてから進めます。

ステップ2:Duplicatorパッケージを作成する

  1. 元サイトのWordPress管理画面でDuplicatorのバックアップ画面を開きます。メニュー名はバージョンによって異なります。
  2. 新しいバックアップまたはパッケージの作成を選び、識別しやすい名前を付けます。
  3. サイトスキャンを実行し、警告や除外対象を確認します。
  4. 問題を解消したら、Buildまたは同等の作成ボタンを押します。
  5. 作成後、サイトデータのアーカイブと、インストールに使うファイルの両方をダウンロードします。

ファイル名や拡張子はDuplicatorのバージョンや設定で異なるため、特定の名前に決め打ちしないでください。ダウンロード後、両方のファイルが手元にあることを確認します。

ステップ3:アーカイブとインストーラーをアップロードする

  1. クローン先のドキュメントルートを確認します。これは通常、そのドメインで公開されるファイルを置くディレクトリです。
  2. アーカイブとインストーラーをFTP/SFTPまたはホスティングのファイルマネージャーでアップロードします。ローカル環境の場合は、その環境の公開用ディレクトリへ置きます。
  3. クローン先にWordPressファイルがすでにある場合、上書きや削除の前にバックアップを取り、不要なファイルが残らないようにします。

大きなアーカイブをブラウザー経由で転送すると失敗することがあります。サーバーのアップロード上限や実行時間制限を確認し、必要に応じてSFTPなど別の転送方法を使います。ファイル名の変更や所有者・権限の不一致もインストーラーが動かない原因になります。

ステップ4:新しいデータベースを作成する

クローン先専用のデータベースとユーザーを作り、ユーザーにそのデータベースへの必要な権限を付与します。ホスティングの管理画面では「MySQL Databases」などの名称が使われることがありますが、名称や操作はサービスごとに異なります。ローカル環境ではphpMyAdminなどを利用できます。

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次の4項目を控えてください。

  • データベース名
  • データベースユーザー名
  • データベースパスワード
  • データベースホスト名

接続先が必ずlocalhostとは限りません。ホスティング会社が指定する値を使います。接続できてもテーブルの作成やインポートに失敗する場合は、ユーザーがデータベースに関連付けられているか、権限が不足していないかを確認します。

ステップ5:インストーラーを実行し、URLを設定する

  1. ブラウザーでクローン先のドメインまたは一時URLからインストーラーを開きます。ファイルの名前や案内に従ってアクセスしてください。
  2. インストーラーの注意事項を確認し、ステップ4で控えたデータベースのホスト、名前、ユーザー名、パスワードを入力します。
  3. 接続検証を実行します。失敗したら、ホスト名、ユーザーとデータベースの関連付け、権限を見直します。
  4. 検証に通ったらデータベースをインポートし、移行先のURLを設定します。
  5. インストーラーの案内に従って処理を完了し、クローン先の管理画面へログインできることを確認します。

ドメインやディレクトリが変わると、データベースに旧URLが残ることがあります。WordPress公式は、シリアライズされたデータを壊すおそれがあるため、SQLダンプやテキストファイルを単純な一括置換で編集しないよう注意しています。移行プラグインのURL置換機能、シリアライズデータ対応の検索・置換ツール、またはWP-CLIを使ってください。

WP-CLIが使える環境では、まず次のコマンドで変更対象を確認できます。URLは実際の旧・新サイトに置き換えます。

wp search-replace 'https://old.example.com' 'https://new.example.com' --all-tables-with-prefix --skip-columns=guid --dry-run

結果を確認し、元データベースのバックアップを確保したうえで、ドライランのオプションを外して実行します。

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wp search-replace 'https://old.example.com' 'https://new.example.com' --all-tables-with-prefix --skip-columns=guid

WP-CLIの導入や権限など、環境によってはコマンドを利用できない場合があります。wp-config.phpにWP_HOMEとWP_SITEURLを設定する方法もありますが、これはURLを固定するもので、データベース内の旧URLを書き換える処理ではありません。原因の切り分けに使った場合は、恒久的なURL設定を直したあと不要な定義を削除してください。詳しくはWordPress公式のwp-config.phpガイドを参照してください。

define( 'WP_HOME', 'https://example.com' );
define( 'WP_SITEURL', 'https://example.com' );

ステップ6:動作を確認してインストールファイルを削除する

まず、クローンした環境が意図したURLで表示され、管理画面へログインできることを確認します。表示確認の項目は次のチェックリストを使ってください。

  • トップページ、固定ページ、投稿、カテゴリー・タグの一覧。
  • メニュー、内部リンク、画像、動画、PDF、検索。
  • 問い合わせフォーム、ログイン・ログアウト、管理者権限。
  • テーマやプラグインの設定、パーマリンク、XMLサイトマップ、robots.txt。
  • HTTPS、キャッシュ、メール送信、CDNや外部API。
  • WooCommerceを使う場合はカート、注文、決済、在庫。テスト注文や決済が実際に処理されない設定かも確認する。

ステージングやローカル環境は、本番と同じメール、決済、Webhook、分析タグをそのまま稼働させないでください。テスト用の宛先・キーに切り替えるか停止し、アクセス制限やnoindexを設定します。noindexだけに頼らず、必要に応じてBasic認証やIP制限も併用します。

検証が済んだらDuplicatorの削除機能または案内に従ってインストーラーファイルを削除し、一時展開ファイル、移行ログ、公開領域に残ったアーカイブや不要なバックアップも取り除きます。最後にブラウザーからインストーラーやアーカイブへアクセスできないことを確認してください。

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クローンで問題が起きたときの切り分け

インストーラーが開かない

  • 2つのファイルが正しいドキュメントルートにあるか確認する。
  • ドメインが正しいサーバーを指しているか、PHPが動作しているかを確認する。
  • ファイル名・拡張子を変えていないか、HTTPS証明書が有効かを確認する。
  • WAFがアクセスをブロックしていないか、ファイルの権限や所有者に問題がないか調べる。

データベース接続エラー

  • ホスティング指定のデータベースホスト名を使っているか確認する。
  • データベース名に接頭辞が付く仕様ではないか確認する。
  • ユーザーが対象データベースに追加され、必要な権限を持っているか確認する。
  • ユーザー名とパスワードを再確認する。

500エラーや白い画面

クローン先のPHPエラーログを最初に確認します。原因が特定できない場合は、一度に一つずつ切り分けてください。

  1. .htaccessを一時退避して挙動を確認する。
  2. プラグインを一時停止し、互換性問題がないか調べる。
  3. 必要ならデフォルトテーマに切り替える。
  4. パーマリンク設定を保存し直し、PHPメモリ上限を確認する。
  5. PHPバージョン、ファイル権限、キャッシュ、OPcacheも調べる。

CSSや画像が読み込まれない

旧ドメインの残存、HTTPとHTTPSの混在、サブディレクトリの変更、古いCDN URL、キャッシュ、ファイル権限がよくある原因です。シリアライズデータに対応した方法でURLを置換し、キャッシュを削除します。ページビルダーを使っている場合は生成CSSを再作成してください。ブラウザーの開発者ツールで404やMixed Contentのエラーを調べると、問題のURLを特定しやすくなります。

リダイレクトループや管理者ログインの失敗

リダイレクトループでは、WP_HOME、WP_SITEURL、データベース内のURL、SSL終端の設定が一致しているかを確認します。リダイレクトプラグイン、キャッシュ、.htaccessの旧ドメイン向けルールも一時的に切り分けます。

ログインできない場合は、Cookieドメイン、URL置換漏れ、ユーザー・usermetaテーブルの移行、マルチサイト設定、セキュリティプラグインの旧IP・旧ドメイン制限を確認します。一時的にWP_HOMEとWP_SITEURLで復旧できた場合も、データベース側のURLを正しく修正し、不要な定義を残さないようにします。

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Duplicator以外の方法を選ぶべきケース

方法 向いているケース 確認点
ホスティング標準のステージング機能 同じホスト内にテスト環境を作り、本番反映機能も使いたい場合。 機能の有無や対象プランはホストごとに異なる。本番へ反映するときの上書き範囲と同期方向を確認する。
Duplicator ファイルとデータベースをまとめてパッケージ化し、別サーバーやローカルへ複製したい場合。 大容量では実行時間・メモリ・ディスク容量が制約になることがある。基本的な単一サイトの移行とマルチサイト移行では必要な機能が異なり、ネットワーク全体の移行などはProが必要になる場合がある。
Migrate Guru 移行を自動化したい、大規模サイトの移行を試したい場合。 WordPress.orgの公式ページは無料プラグインとして案内し、最大200GBの対応や自動URL書き換えなどを掲げています。これは成功を保証する値ではなく、ホスティングやサイト構成の制限を受けるため、重要サイトでは事前テストが必要です。
All-in-One WP Migration 管理画面中心でエクスポート・インポートを行いたい場合。 ファイルサイズ上限や拡張機能の条件は変わる可能性があるため、利用時に公式情報で確認する。過去の価格や上限を現行条件として扱わない。
UpdraftPlus すでにバックアップに使っている製品群で復元や移行も管理したい場合。 MigratorやUpdraftCloneなど機能が分かれている。クローン後に本番で発生した変更を安全にマージすることは別の作業。
手動移行 サーバーやデータベースを管理でき、コピー対象を細かく選びたい場合。 ファイルとDBのエクスポート・インポート、wp-config.phpの更新、安全なURL置換、パーマリンクや.htaccessの確認が必要。

Duplicatorの基本バックアップ・移行機能は公式プラグインページに掲載されています。サーバー間インポート、スケジュールバックアップ、マルチサイト対応などで有料版が必要か迷う場合は、Duplicatorの料金ページで現在の機能と価格を確認してください。料金やプラン条件は変わる可能性があります。ホスティング機能が使える場合は、プラグインを追加する前にステージングの有無も確認するとよいでしょう。

手動で行う場合も、ファイルとデータベースの双方を移し、接続情報を更新してからシリアライズデータに配慮したURL置換を行います。手順の考え方はWordPress公式の移行ガイドを参照してください。

マルチサイトやWooCommerceでは追加の計画が必要

WordPressマルチサイトは、単一サイトとネットワーク設定やサブサイトの構造が異なります。ドメインマッピングも関わるため、この6ステップだけでネットワーク全体が安全に移るとは限りません。Duplicatorの公式案内では、完全なネットワーク移行やサブサイトを単独サイトとして扱う機能にProが必要となる場合があります。利用前に対応範囲を確認してください。

WooCommerce、会員制、予約サイトなど、更新頻度の高いサイトを本番からコピーすると、顧客情報や注文の複製に加え、メール、決済、在庫、定期購入、Webhookなどの処理が二重に動くおそれがあります。検証用データに個人情報が含まれる場合はアクセスを制限し、保護・削除方針を決めます。本番への切り替え時は、コピー後に発生した注文や会員更新をどう扱うかも事前に決めてください。

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